話題のクラフトコーラ。TAKEOの三橋が趣味で開発したオリジナルレシピver2.0を公開します。
スパイスは16種使用、インターネットで公開されているものの中ではいちばんマニアックで複雑で本気なレシピだと思います。
2021年8月に公開したver1は正直なところ、お客さんに刺ささりませんでした。僕の敗北です。
→クラフトコーラのレシピ ver1
その反省を活かしてver2を開発しました。簡単なレシピに飽きた方はぜひ試してみてください。
ver1の失敗
ver1の設計コンセプトは以下でした。
ジンジャーエールでもレモネードでもなく、コーラらしい風味が感じられること。
大人のスパイシーさがありながら、バランスが取れた風味であること。
要するに、僕は「コーラらしさとバランス」を重視した設計にしました。
このコンセプトはお客さんには伝わらなかったと判断しています。TAKE-NOKOで実際に提供しているのですが、お客さんの印象に残る風味ではなかったようです。SNSやレビューで話題になることも(ほぼ)ありませんでした。きっとわかりにくかったのだと思います。
そんな中、先日の「マツコの知らない世界」のクラフトコーラ特集を観ました。そこにはいずれも個性的な商品がピックアップされており、僕は気付きました。
「クラフトコーラには、コーラらしいバランスは求められていないのではないか?」
僕はビールも趣味なのですが、思い返すとクラフトビールを飲むときはメジャービールに無い個性を求めていました。おいしいビールが飲みたいだけだったらメジャーから出ているピルスナータイプで良い。コスパ良いし、間違いなくおいしいし。
しかし、せっかく高いお金を出してわざわざクラフトビールを飲むならば普段飲めないようなものが良い。個性的なIPAに走りがちです。そう、これはきっとビールもコーラも同じことなのでしょう。
ver2の設計コンセプト
濃い味で、昆虫が入っているわかりやすいクラフトコーラ。
◯スパイスの味を濃くする。
味を濃くすることで、クラフトコーラらしいわかりやすい風味にしていきます。
◯ちゃんと昆虫を入れる。
TAKEOは昆虫食の会社でした。求められているのは昆虫食のはず。
材料(シロップ200ml強、4倍希釈クラフトコーラとして800ml分)
材料A(抽出①)
水・・・200ml
果糖・・・80g
三温糖・・・80g
レモン絞りかす・・・1.6個(果汁を絞って後、輪切りにしたもの)
材料B(抽出②)
GABAN シナモンスティック(セイロン)・・・7本
GABAN カルダモンホール・・・2.5g(あらかじめ半分に割っておく)
GABAN クローブホール・・・2.0g
GABAN ブラックペッパー 粗挽き・・1.0g
コーラナッツ(粗挽き)・・・1.0g
GABAN ジンジャーパウダー・・・0.2g
GABAN オールスパイスパウダー・・・0.2g
GABAN ナツメグパウダー・・・0.1g
GABAN 鷹の爪ホール・・・1本
生ホップ(センテニアル種)・・・0.5個
トンカ豆・・・0.2個
塩漬けタガメ・・・1匹(水洗いして、半分に切っておく)
コオロギパウダー・・・0.2g
材料C(抽出③)
レモン果汁・・・材料Aの絞り汁全部
S&B 旬の香り 山椒の粉・・・0.4g
GABAN ローリエ(アメリカ産)・・・1枚
GABAN ペパーミント・・・0.1g
材料D(抽出④)
カラメルシロップ・・・薄く着色する程度
ナリヅカ バニラエキストラクト40・・・1.0g
つくりかた
下準備
◯レモンは半分に切って、果汁をしっかり絞る。レモンの絞りかすは丸ごと輪切りにしておく。
◯カラメルシロップは着色よりも風味付けが目的。三温糖と水を1:1程度で配合してフライパンで黒くなるまで焦がし、水を加えて水に溶ける状態まで延ばす。市販品でもOK。
◯カルダモンは全量を半分に割っておく。
◯塩漬けタガメは水洗いして、縦半分にハサミで切っておく。
↓
抽出①
鍋に材料Aをすべて加え、沸騰後10分間、弱火で煮出す。10分経過したらレモン絞りかすをすべて取り出す。
↓
抽出②
鍋に材料Bをすべて加え、沸騰後10分間、弱火で煮出す。材料はそのまま。
↓
抽出③
鍋に材料Cをすべて加え、沸騰後1分間、弱火で煮出す。材料はそのまま。
↓
抽出④
材料Dをすべて加え、軽く撹拌する。
粗熱が取れたらそのまま冷蔵庫に入れて、24時間置いて抽出する。
↓
完成
メッシュで濾して完成。保管の目安は冷蔵庫で1週間程度。冷凍もOK。
シロップ1:炭酸水3を目安にお好みの濃さで割って召し上がってください。
ver2のレシピのポイント、こだわり
■風味特徴
◯王道のコーラの香りが感じられつつも、スパイス由来の辛味や苦味がガツンと来る。
◯塩漬けタガメ由来の洋梨様のフルーティな香り、塩味、うまみ、油脂感。
◯コオロギパウダー由来の香ばしい香りと、出汁感。
■改良点
濃い味にするために、ver2では主に以下の改良を加えました。
◯レモン果皮の加熱抽出時間の延長
→苦味成分を濃く。
◯各種スパイスの加熱抽出時間の延長
→味に効く不揮発成分を濃く抽出。
◯ホップを追加
→ガツンとくる苦味を付与。ver1では採用を見送ったが、ver2はインパクト重視で採用。
◯ミントを追加
→タガメの重い風味を相殺してバランス調整。
◯トンカ豆を追加
→クマリン様の風味が特徴。配合量少なく風味貢献度低いが、使いたかった。
◯繊細な風味の原料を削除
→繊細なレシピじゃなくなったため。ライム、コリアンダーを削除。
近いうちにTAKE-NOKOで出すよ。
次回製造分からレシピを切り替えます。スタンダードなレシピのコーラを飲みたい人もいるかもしれないので、昆虫抜きverも選べるようにしておきます。
チャンスがあったら飲みに来てね。