開発担当の三橋です。みちこさんのバトンを受けて、今回は昆虫の味、特にTAKEO新商品「ちょい虫シリーズ」の味づくりのこだわりについて語りたいと思います。これが昆虫の風味そのものに正面から向き合うきっかけのひとつにでもなったら嬉しいです。
昆虫をしっかり味わえていますか?
唐突ではありますが、みなさんは昆虫の味や香りというものを落ち着いて集中して味わったことはありますか?昆虫食という性質上、イベントなどみんなでワイワイ楽しむという場面の方がきっと多いかと思います。ひとり静かに、という場面はあまり多くないのではないでしょうか。にぎやかな場面では味覚や嗅覚は鈍りがちです。感覚を集中できないというのもそうですが、その場の雰囲気の「風味」を味わってしまうものだからです。
コオロギの味とは?コオロギブレンドで立体的なおいしさを表現
乾燥コオロギの一般的な香りは、マイルドな煮干し+パン(穀物っぽさ)+香ばしさ、みたいなイメージです。味はあまり強くないですが、魚系のやさしいうま味があります。未乾燥品や加熱方法を大きく変えたものはまた違った風味を持ちますが、一般的に流通しているものは大体似たような風味を持っています。
「ちょい虫」のコオロギシリーズは3種の乾燥コオロギをブレンドしています。香りは弱いが塩味とうま味が強いフタホシコオロギ、味はやや弱いが鶏ガラスープのような動物系の香りが強いヨーロッパイエコオロギ、味は弱いがココアのようなロースト感が強いジャマイカンフィールドコオロギ。これら3種をバランスよく配合することで、味と香りに立体感のあるコオロギのおいしさを表現しています。
粉砕の大きさにもこだわっていて、「ちょい虫」にはあらびきにしたコオロギも配合しています。これがザクザクとした食感を生み、良いアクセントになります。焼きそば用にはより粗く、ラーメン用にはちょっと細かくしています。
「ちょい虫 コオロギ×やきそば」は、あおさのりの配合がポイントです。磯の香りがコオロギの香ばしさを引き立てます。あらびきコオロギのザクザク食感、魚粉の様な香り、あおさのりの香りがペヤングソースやきそばのおいしさをワンランクアップさせます。
「ちょい虫 コオロギ×ラーメン」は、コオロギ粉末を多めに配合しているのが特徴です。コオロギ粉末がスープに溶け込むと出汁(だし)が出ます。カップヌードルに入れると鶏ガラスープのようなシャープなうま味が付与されます。醤油ベースのスープにすごく馴染むので、きっと違和感無く楽しんでもらえると思います。乾燥野菜も配合したことにより、見た目の彩りも楽しめるよう工夫しています。
カイコの味とは?エビ以上のエビ感を更に引き立てる
乾燥したカイコさなぎは、強くて香ばしい干しエビのような香りです。エビよりもエビ感(エビ感とは?)が強いのが特徴です。味はちょっと粉っぽく、マイルドではあるのですが干しエビのようです。先日スシローの海老味噌ラーメンを食べたのですが、蓋を開けた瞬間に「あっ!カイコのさなぎだ!」と思いました。そのくらいエビです。これもまた未乾燥品は全然風味が違うのですが、またの機会にお話しします。
「ちょい虫」のカイコさなぎシリーズでは、TAKEO特製の焙煎カイコ粉末をブレンドしています。焙煎によってカイコさなぎの香ばしさが飛躍的にアップし、焼いたエビのような香りがより引き立ちます。また、カイコさなぎ粉末はちょっと生臭さが気になる部分があるのですが、それも焙煎すると気にならなくなります。
「ちょい虫 カイコさなぎ×やきそば」は、大きく砕いたカイコさなぎをたっぷり配合しています。カイコさなぎはコオロギよりもザクザク感が強くて楽しい食感です。昆虫食経験者の中にはカイコさなぎの強い香りが苦手なイメージを持つ方もいると思うのですが、ソース、ゴマ、ねぎと合わさった時にカイコが化けます。個人的にイチオシ商品です。
「ちょい虫 カイコさなぎ×ラーメン」は、スープに合うように焙煎カイコ粉末を多く配合しています。スープに溶けると焼いたエビのような香りが付与されます。スシローではないのですが特に味噌ラーメンとの相性が抜群で、スープの雰囲気がガラッと変わります。インパクトのある昆虫食を求める方にはオススメです。
まとめ
ということで、今回はちょい虫シリーズの味づくりのこだわりについてお話させていただきました。もしちょっとでも気になった方はぜひ「ちょい虫」を手に取っていただいて、感想などお寄せいただけたら励みになります。「エビと言ってたけど全然違うじゃないか!」「次は○○に合う商品が欲しい!」なども大歓迎です。
今後も楽しくておいしい昆虫食をどんどん作っていきます。「ちょい虫」応援してください!