こんにちは実店舗 店長のみちこです。みなさんTAKEOの実店舗では10月25日から31日までハロウィンイベントをやっています!なんと実店舗にきて「トリックオアトリート!」というだけで
え、「バッタ生キャラメルってなに?」「蟲ソムリエって誰?」って?その疑問、私が解明します!ということで今回は、バッタ生キャラメルを開発した蟲ソムリエさんへのインタビュー記事です。まずは「蟲ソムリエとはいったい何者?」のところですよね。ズバリ聞きていきたいと思います。
蟲ソムリエさんとは?現在ラオスにいて10年以上昆虫食を研究をしている「プロ蟲ソムリエ」である
提供:蟲ソムリエ
みち子 蟲ソムリエさん、こんにちは。突然ですが「蟲ソムリエ」という名前の由来を教えてください。
蟲ソムリエ 「〇〇ソムリエ」のように、適切な虫を適切な人に届けられるようになりたい、と昆虫食研究をやり始めて4年目の2012年の8月に「蟲ソムリエへの道」というブログを始めたのがきっかけです。その後フリーランスとして活動するときの屋号として「蟲ソムリエ」を名乗り始めました。いまは昆虫食関係で生計をたてているので、7年経ってようやく「プロ蟲ソムリエ」になれたようです。
みち子 昆虫食研究を10年以上もされているんですね。今はどこでなにをされているのですか?
蟲ソムリエ 2017年からのAIN(味の素「食と健康」国際協力支援プログラム)に参加し、ラオスの昆虫食を含めた食と健康を支援する仕事を、保健NGOであるISAPHと共同で進めています。日本にいる間は「昆虫食に栄養がある」といいながら普及活動をしてきましたが、ラオスは昆虫を頻繁に食べる地域でありながら、栄養に問題を抱える子供が多い状態が続いています。そのためこの地域がもつ昆虫食のポテンシャルを高めれば、栄養状態をより良くすることができるのではないか、とスタートしました。今はバッタ、エリサン、ゾウムシの3種を選定し、村人と一緒に養殖の体制を整えているところです。
みち子 グローバルに活動されているんですね。ということはこのバッタ生キャラメルはラオスからお届けということになりますね。ラオスと日本の文化は違いも多いと思いますが、ホームシックになったりしませんか?
蟲ソムリエ 初めての海外長期滞在なので、それなりにホームシックにはなりますけど、ラオスが昆虫養殖に恵まれた地域なので、採集も養殖実験も楽しくてホームシックを気にするヒマもないです。今年の6月にデング熱にかかったときはプッチンプリンが無性に食べてくなって、ラオスにはないのでさすがに恋しくなりました。
みち子 日本が誇るプッチンプリン!私も無性に食べたくなるときがあります。近々帰国の予定はありますか?
蟲ソムリエ はい、私が理事長を務めるNPO法人食用昆虫科学研究会が、11月16日、17日のサイエンスアゴラに出展するため、私も一時帰国します。16日午後はラオスで一緒に活動している保健人材を招待し、日本とラオスの両面から「昆虫食の未来を考える」シンポジウムも開催予定です。
昆虫食への偏見がないラオスとの対話を通じて、頭を柔らかくしながら未来の食を想像してもらえたらと思います。
みち子 サイエンスアゴラの参加は9年目のようですね。私も楽しみにしています。
「バッタ生キャラメル」とは?丁寧に仕上げられているスイーツであり、食品科学の発明品である
みち子 さて、ここで本題なのですが、このとってもおいしい「バッタ生キャラメル」はどうして生まれたのですか?
蟲ソムリエ はい、最初はTAKEOさんのバッタパウダーを購入して試行錯誤していたところから始めました。その時自分でも研究用にバッタを養殖していて、パウダーも作ってみたのですが、味を良くするためにサトウキビを1日食べさせたり、絶食させたり、脱皮直後のバッタを使ったりして苦味の少ないピュアな味を目指していたのですが、この商品はタイから輸入なので、そういった生きている時の事前処理ができないことがネックでした。草由来の苦味と風味の悪さが、バッタの風味をうまく生かしきれていない、と思ったのです。
そこで事後処理として何か工夫することで、バッタの風味を生かし、草の苦味を減らせないかと検討をスタートしました。
また、これまで昆虫を370種以上茹でて味見してきたのですが、エビ・カニのような独特な磯臭さがないので、スイーツに向いているのではと仮説を立てて検証してきました。これまでにエリサン(カイコの一種)を使ったアイスクリームや、きらめくハムシを使ったナッツタルトなどを作ってきました。日本ではイナゴの佃煮がご飯のお供になっていますが、ラオスでも同様で、主食のもち米につける辛味噌の材料として、昆虫が使われています。そういった伝統的な「おかず」のイメージを打破したくてスイーツに挑戦してきました。
みち子 なるほど。だからクセがなくとってもおいしいスイーツに仕上がっているのですね。工夫された点はどういったところですか?
蟲ソムリエ はい、最初はカブトムシコーヒーを作った時のように、焙煎をすることで風味の変化を引き出せないかと思ったのですが、エビを強く加熱したときのような、別の悪い風味が出てきてしまったのです。そこで加熱して溶かしたトレハロースを使い、あまり空気に触れない状態でゆっくり熱が伝わるように工夫しました。さらに内緒の割合で複数の糖をブレンドすることで、メイラード反応による風味の向上も意図しています。
また、「粉末にすれば食べられる」とはよく言われるのですが、バッタの食感や形の美しさを失うのはとても惜しいことです。そのため「粉末にしかできない」異素材との混合や反応によって生まれるものをレシピにしたかった、という思いもあります。
みち子 カブトムシコーヒーも興味深いです。なるほど、バッタ生キャラメルは、風味変化にも対応した丁寧な加熱方法によっておいしさを作り出しているのですね。「粉末にしかできない」というところの想いも蟲ソムリエさんのバッタ愛を感じました。
ラオスのハロウィンとは?既にクリスマスの飾り付けになっていた!
提供:蟲ソムリエ
みち子 日本のハロウィン文化は年々様変わりしていますが、ラオスのハロウィン事情はいかがでしょうか?
蟲ソムリエ いまのところ一部の観光客向けレストランでクリスマスの飾り付けが始まったぐらいで、ハロウィンの気配は全くないですね。タイからパソコンを輸入している店でハロウィン風のチラシを見かけたぐらいです。オークパンサーという大きな祭りが10月にあり、そのあと息切れしているためか、みなさん静かです。
みち子 ラオスは10月からクリスマスの準備なんですね。ちなみに私は日本のハロウィンが大好きです。なぜかというと大好きなお菓子をもらえるからです。最後に日本のいたずらっ子たちへ一言お願いします!
蟲ソムリエ ハロウィンを楽しむためにも、昆虫食品をだまし討ちやいたずらで食べさせないこと!をしっかりしましょう。トリック(いたずら)オアトリート(お菓子か)なので、お菓子をあげたらいたずらはダメです。
みち子 はい!いたずらは、ほどほどにします!
まとめ
今回はラオスで活躍されている蟲ソムリエさんにお話を伺いました。自身の活動からバッタ生キャラメルへの想いまで聞かせてもらい、バッタ生キャラメルはバッタや昆虫食を愛している蟲ソムリエさんだからこと考案できたものであり、その愛が丁寧な味に表現されているのだなと感じました。
TAKEOの実店舗では10月25日(金)から31日(木)までハロウィンイベントを開催中です。ご来店された方全員に蟲ソムリエさんプロデュースのバッタ生キャラメルプレゼントしていますので、ぜひ遊びにきてください!
ハッピーハロウィン!