10年前の昆虫食の修士論文を公開します

三橋

TAKEOの三橋亮太です。
ちょうど10年前、2013年3月に書いた昆虫食について研究した修士論文を公開したいと思います。

修士論文 ダウンロード&注意・免責事項

【ダウンロード】
2012年度修士論文「昆虫を食べることに関する諸研究」(2013年2月提出)
https://takeo.tokyo/note/file/mastersthesis_10ya.pdf

【免責事項、注意事項】
・本修士論文は当時の教官たちの審査を受けたものですが、いわゆる査読は経ていません。したがって内容の科学的な正しさや妥当性を保証するものではありません。情報の取り扱いの結果について弊社は責任を負いません。
・修正や公開中止を要する問題点等あればご指摘ください。
・10年前の情報です。現在の知見と異なる部分がある可能性があります。
・無断転載を禁止します。特にSNSなどで都合よくチェリーピッキングしたりしないでください。

公開に至った背景

ふと久しぶりに読み返してみたら、支離滅裂で拙い部分は多いもののそんなに変なことは主張していないし、10年前の昆虫食の雰囲気を知る歴史資料としても公開する価値があるのではないかと思い至りました。

世界的な昆虫食ブームの火付け役となったFAO報告書の発表が2013年5月ですから、ブームが起こる前の空気感がなんとなく読み取れると思います。公開にあたって第5章の個人名だけ削除しましたが、あとは手を加えておらずそのままです。

僕は2008年に大学の図書館で三橋淳先生の「世界の食用昆虫」という本を読んだことから昆虫食の世界に入りました。そこからコツコツと文献を集めながら(当時は昆虫食の文献が貴重でした)、大学院修士課程の2011~2013年に昆虫食について一生懸命勉強しました。昆虫食研究を自由にさせてもらえる研究室を求めて大学も変えましたし、時間が足りなくて大学院を1年留年したくらいには熱中しました。大学院を修了してからも民間企業で食品の研究開発の仕事をしながらライフワークとして昆虫食に関わり続け、イナゴの論文は卒業後に投稿しました。そして2019年からはTAKEOで昆虫食を生業にするに至ります。

この学生時代に特に「昆虫を食べる意味とは何なのか?」ということを考え抜いた経験が、今のTAKEOでの仕事に向かうスタンスにつながっていると思います。
→よくある質問https://takeo.tokyo/note/answer-honestly/

目次

要旨・・・4

第1章 福島県産イナゴは安全に食べられるか?
緒言・・・7
材料および方法・・・9
結果・・・11
考察・・・14
付録・・・18
英文要旨・・・19
引用文献・・・20

第2章 どんな人が,何のために昆虫を食べるのか?
緒言・・・22
調査の方法および材料・・・24
結果および考察
昆虫料理試食者の年齢および性別の分布と昆虫食経験の有無・・・32
昆虫食に対する抵抗感・・・35
昆虫を食べる動機・・・36
人はお金を払ってまで昆虫を食べるのか?・・・38
どのような昆虫料理が好まれるのか?・・・39
まとめ・・・41
摘要・・・43
引用文献・・・44

第3章 昆虫の栄養価および生産効率について
緒言・・・45
調査方法・・・46
結果および考察
カイコの栄養価について・・・47
カイコの生産効率について・・・59
昆虫の可食部の割合について・・・67
栄養価の昆虫種間比較・・・67
昆虫の栄養価と食味の関係・・・75
摘要・・・80
引用文献・・・81

第4章 安全に昆虫を食べるために
緒言・・・87
調査方法・・・88
結果および考察
昆虫を食べるリスク・・・89
昆虫食アレルギー・・・90
引用文献・・・94

第5章 食用昆虫科学研究会の発足
食用昆虫学研究会発足の経緯・・・95
サイエンスアゴラ出展・・・96
昆虫食に関する企画展開催および出張講義の実施・・・98
平凡社新書「昆虫食入門」出版・・・101

※アイキャッチ画像のイラストは「農民イラスト」を使用しています。

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