

大阪の十三(じゅうそう)にあるアートギャラリー「Atelier cypris(アトリエキプリス)」にて10月14日から20日までの7日間開催された昆虫食イベント『昆虫食展~むしとわたしのおいしい関係~』に行ってきました。
私たちが昆虫食イベントと聞いて思いつくのは昆虫食の『試食イベント』ではないでしょうか。しかし、今回の昆虫食展は昆虫食を『みて楽しむアートイベント』というテーマであり、「昆虫食が気になるけど食べるまではいかない」、「昆虫食を見るだけみてみたい」という方にも昆虫食に触れてもらえる場として開催され、各アーティストが昆虫食をテーマにして表現しています。
様々な作品の中から個人的に気になった作品を少しだけご紹介します。
昆虫食とかわいいの融合『西塚em(ニシヅカ エム)』
展示の中には「かわいい子が、かわいいから虫を食べる」というコンセプトの作品もありました。結びつかなそうな「昆虫食」と「かわいい」を融合させた作品であり、西塚emさんの発想力がすごい。かわいいは創るものですね。
他にも寄生虫をモチーフにした「Parasite Tights – キセイチュウ タイツ」もあり、女性から避けられがちな虫をあえて取り入れ、ポップなファッションにしてしまう発想が革新的でした。
「ドリームフレーバー」
「愛を模って2」
右がキセイチュウタイツ
『おいしい昆虫食の提案』
また、見るだけでなく、実際に作って楽しめるように、昆虫食のレシピを提案するコーナーもあり、昆虫食の丼や昆虫食のお寿司等の食品サンプル作品も展示されていました。そのまま昆虫を食べるというより、こういった工夫された料理の提案があると、より食べてみようという気持ちになります。
下の写真は『蟲喰ロトワ(むしくろとわ)』こと佐伯真二郎さんが実際に昆虫食を調理し食べてみての味と感想が写真にまとめられています。虫によって違う味を細かくレビューされている「昆虫食図鑑」のような作品です。昆虫食を食べたことのない人や、食べてみたいけど挑戦する勇気がでない人にも、昆虫食のおいしさが伝わります。
ダンジョン飯
昆虫食BARが六本木に進出!?『昆虫料理店の提案』
昆虫食のBARがあるとシュミレーションし、店舗の空間やメニュー、リーフレットをデザインしている森一浩さんの作品「昆虫料理店の提案」。デザインの力がとても大事と考えさせられる作品で、デザイン次第では「昆虫食」=「おしゃれ」と印象づけることも可能だと感じました。
おしゃれな昆虫食BARのオープンが今から楽しみです。
展示だけでなく昆虫食の試食会も
昆虫食展の初日、2日目には作品の展示だけでなく、オープニングパーティーも兼ねた昆虫食試食会も行われ大盛況だったそうです。昆虫食展の原案者で試食会も行った佐伯真二郎さんにその時の様子をお聞きしたところ、試食会参加者の3割が初めて昆虫を食べるという方で、その中で「昆虫には食欲がわかない」という昆虫食超初心者の方もいたとのこと。
試食会によって、昆虫という素材は普通に楽しめる食材であると発信し、昆虫食初心者の方に今後もアプローチし続けることが大切だと感じたそうです。
感想:昆虫食イベントは様々な角度からアプローチすることが重要
『昆虫食をみて楽しむアートイベント』は斬新な試みで、「昆虫を食べませんか?」ではなく、「昆虫食を楽しみませんか?」というスタンスは、昆虫や昆虫食が気になっている人に対して、昆虫食の可能性を広げる良い機会と感じました。
作者さんの昆虫食愛に溢れた素敵なイベントでした。