みなさん、こんにちは。TAKEOの代表の齋藤です。先日開催された今年2回目のホヤ祭りも大盛況で、足を運んでくださったみなさんありがとうございました。ホヤを楽しむみなさんを見ていたらホヤの記事を書きたくなったので書きます。今後もホヤについて新たな発見があったら記事にしていきたいと思っています。
(そもそも昆虫食専門店がホヤと向き合う経緯は?についてはこちら)
私と地元の食文化
私の生まれ故郷は、新鮮な海の幸が豊富な宮城県気仙沼市です。ここは東北の海沿いに位置しており、三陸地方とも呼ばれています。私はカツオ、秋刀魚、わかめ、めかぶ、そしてサザエやつぶ貝、アワビ、タコ、イカなど、海の幸をたくさん食べて育ちました。
さらに、気仙沼市は岩手県との県境に近いことから、岩手産のお肉も気軽に手に入る地域です。親戚が魚市場の近くで精肉店を営んでおり、岩手から仕入れた新鮮なお肉を扱っていました。そのため、食卓には三陸の海の幸と岩手のお肉が欠かせませんでした。また、私の住んでいた地域は海岸から少し内陸に入った山間部で、季節の山菜も豊富に採れ、食生活に彩りを加えていました。
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— 齋藤健生@昆虫食TAKEOの代表 (@takeo_mushi) February 22, 2023
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大好物5
中学の同級生が毎年送ってくれます。タカノツメ(ウコギ科)が特に好きです。 pic.twitter.com/VO6t0wrSvU
— 齋藤健生@昆虫食TAKEOの代表 (@takeo_mushi) April 20, 2023
今回は、そんな私の地元の味覚の中でも特別な存在である「ホヤ」のお話です。
ホヤとの初めての出会い
私が初めてホヤを食べたのは4歳の時だと母親が言っていました。その時は、ホヤを酢で味わっていたようです。私は、ホヤの後に飲む水が甘く感じることに驚き、それが何とも楽しかったことを記憶しています。その体験は、まるで小さな科学実験のようで、それが今も鮮明に心に残っています。食体験でワクワクしたのはこれが人生で初めてだったと思います。
ホヤの旬は春から夏、特に5月から7月です。その時期には、親戚や父の知人から採れたてのホヤが発泡スチロールで送られてきます。我が家では、ホヤは特別な食材ではなく、この時期の食卓に欠かせない存在でした。そのホヤを引き立てる添え物として、シャキシャキとしたきゅうりと歯ごたえのあるワカメが常に用意され、その組み合わせはとてもおいしかったです。
ホヤの様々な料理
ホヤはその特徴的な食感と独特の風味から、様々な料理に活用されています。私がこれまで食べてきたホヤ料理といえば、ホヤ刺し、ホヤの酢の物、ホヤ塩辛、蒸しホヤ、ホヤのお吸い物、ホヤたまごなど。さらに地元では新たなレシピの開発も活発で、ホヤ味噌、ホヤご飯、ホヤユッケ、ホヤ唐揚げ、ホヤパスタ、ホヤポタージュ、ホヤアヒージョなど、ホヤを使った多彩な料理が試されています。その楽しみ方は、牡蠣と同じように多様です。
写真の料理は仙台にある「まぼ屋」さん(@maboya_hoya)。ほや料理のスーパーおすすめ店です。仙台に行ったら必ずどうぞ。
まぼ屋 仙台駅前店【公式】
ホヤとの距離感から見えた新たな視点
18歳で上京した私にとってもホヤは何気ない存在でした。スーパーでパック入りのホヤを見つければ買って、自宅で食べたり、ホヤに興味がある友人と一緒に食べたりしていました。
しかし、東京で新たな人々との出会いを経て、ホヤの見た目が気持ち悪いと感じる人や、得体の知れないものだと思う人もいることを知りました。自分にとっては当たり前の存在でも、他の人から見れば全く異なる視点で捉えられることがある。この時私は、新たな視点を持つことの大切さを学びました。
自分にとって何気ない存在であるホヤも昆虫も、特別な食材として捉えることで、新たな価値を見出すことが可能です。その価値の本質のところはまだ私も理解はしきれていません。ただ、それぞれの地域、それぞれの人にとって違った価値が存在することを、ホヤと昆虫が私に教えてくれました。
もし、みなさんがホヤを食べる機会があれば、ぜひ新鮮なものをいろいろな調理方法で楽しんでみてください。ホヤだけでなく、昆虫や普段何気なく食べている食材にも、新たな価値が見つかるかもしれません。そんなことでも食を楽しんでもらえればと思います。