

昆虫食品を取り扱う当オンラインショップには、日々様々なお問い合わせをいただきます。その中で昆虫食を楽しもうとしている方々の“昆虫食のここが疑問なんだよね”を今回解決できたらと思っています。
1.生で食べるのはNG!
どんなに新鮮だったとしても生食はだめです。とくに野生の昆虫は、食中毒をおこすような細菌を多くもっている可能性がありますし、人にも寄生する寄生虫をもっている可能性もあるので、必ず加熱して食べてください。
野生動物の生肉にかぶりつく危険性と同じで、昆虫を生食してこそ得られる魅力やおいしさは今のところ見あたらず、危険性しかありません。
逆に言えば火を通しさえすれば、多くの昆虫を安全に楽しめます。「焼く」「茹でる」「炒める」「揚げる」「蒸す」「煮る」とバライティも豊かになりますし、より楽しめるはずです。
よくテレビで原住民が“生のイモムシをパクっと食べる”なんてシーンがありますが、あれは絶対にまねしないでください。というのも、彼らにそういった食文化があったとしても、すべての昆虫が生で食べても安全だという保証はどこにもありません。テレビ上ではより過激な構成にしたいがため生食のシーンをよく放送しますが、それは“番組上の演出”と思っていただいたほうが良いですね。
ムツゴロウさんがトラやライオンなどの猛獣に抱きついてたわむれていたとしても、私たちは絶対まねしませんよね。それと一緒です。
昆虫食業界にもムツゴロウさんのような存在!?の地球少年こと篠原祐太さんがいます。彼は過去に昆虫を生食したこともあるそうですが、たくさんの方に誤解をあたえてしまうとして、現在は絶対加熱するようにと発信しています。
昆虫の養殖技術が発展して細菌や寄生虫の心配がない昆虫が流通するまで、生食は我慢しましょう。というか、火を通したほうが絶対おいしいです。
※当オンラインショップは加熱済み商品だけを販売しております。
2.サソリやタランチュラの毒について!
“人を殺してしまうような猛毒をもっているのに食べて大丈夫なの?”この質問はとても多くいただきます。きちんと説明できていなかった証拠でもありますので、ここでしっかりお伝えできればと思います。
当ネットショップで取扱いのあるサソリやタランチュラにも毒をもった種類もあります。しかし、どちらの毒も生きた状態で針や牙から体内に注入されはじめて毒が作用します。高温で長時間加熱してあるサソリやタランチュラを食べるぶんにはなんの問題もありませんのでご安心ください。
タランチュラについては、タイゼブラタランチュラという種類を販売しています。このタランチュラ、過去にタイエディブル(食用)タランチュラと呼ばれていたくらい食用として歴史がありますので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。
しかし、生きているサソリやタランチュラの生食となったら話は変わってきます。 1.で話した必ず火を通すことは絶対に守ってください。
3.昆虫食にもアレルギーがある!
昆虫食も他の食品同様にアレルギー症状を引き起こす可能性をもっています。昆虫はカニやエビと同じような物質をもっていて、とくに“甲殻類アレルギーをもっている人は注意が必要”です。ほかにも、ダニも虫の仲間ですのでダニが原因のハウスダストアレルギーをもっている人も注意が必要です。
甲殻類アレルギーやハウスダストアレルギーの方全員が、昆虫食で100%アレルギー症状がでるわけではないようですが、私の身近でも昆虫食でアレルギー反応を起こした人もいますので、やはり注意が必要です。
プレゼントや罰ゲームなどで本人が昆虫食とわからずに食べる機会も少なからずあると思うので、昆虫食にもアレルギーがあるという認識を多くの方に知ってもらうことが大事だと思います。
4.一般的に食べられている種類だけを食べよう!
最後に、一番かんたんであたりまえのことを説明します。
多くの昆虫は食用にできるといわれていますが、火を通したとしても食べてはいけない昆虫も少なからず存在します。例えば毒をもった植物を食べて育つ昆虫です。こういった昆虫の体には毒素が蓄積していますので、それを食べたら人間にも悪影響があります。
しかし、食べてはいけない昆虫を一から覚えていたらキリがありません。ですので、とてもかんたんな方法として“一般的に食べられている種類だけ”を食べましょう。
キノコ狩りに行っても、わけのわからない怪しいキノコは食べませんよね?キノコと一緒で食べても大丈夫だと自分がわかっている種類だけを食べてください。生食と一緒で未知の昆虫を食べることにはそれなりのリスクがあります。
最後に|昆虫食を楽しむためのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は“昆虫食を楽しむために必要な、たった4つのこと”を紹介しました。
かんたんにまとめると、一般的に食べられている昆虫だけを必ず火を通して楽しみましょう。生食には様々な危険性があるし、自分は平気でも昆虫食でアレルギー症状がでる人もいる。ということです。
最低限この4つを守っていただければ、昆虫食にはなんの危険性もありませんし、多くの方が多くのレシピでお楽しみいただけます。ぜひ参考にしてみてください。
<文/齋藤健生>