「おい、虫入ってるぞ!」「いえ、メインです」究極のグルメ、昆虫食の世界
カミキリムシの幼虫はマグロのトロ、バッタはエビ、オオスズメバチの前蛹はフグの白子、ハチの子はウナギ――食材として昆虫を採って、調理して、食べること二十年、昆虫食の第一人者は、その美味しさをこう喩え、こう訴えるのだ。
「昆虫が食べ物と認識された瞬間から世界が変わって見えるようになる」と。
調理法、注意点、そして食糧難の解決策としての意義まで、人類が知っておくべき昆虫食のすべてがここに。
目次
- はじめに
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第1部 昆虫を味わう
- 東京郊外でザザムシを喰らう
- カイコは味も糸を引く
- フタホシコオロギ味比べ
- クツワムシの鳴き声はうるさいが、味は優しい
- ウナギ不足はハチの子で解決
- カブトムシはなぜ不味いのか
- カミキリムシの幼虫は、マグロのトロの味
- ジョロウグモはチョコの味? 枝豆の味?
- トノサマバッタの脚は美味いが、食べると危険
- アブラゼミとクマゼミは、食感も味も大違い
- カメムシは本当にパクチーの香りがするか?
- 聖書でバッタ食はなぜ許されているのか
- カマキリは卵がうまい
- ハキリアリはハタラキモノだ!
- バッタはなぜ、エビの味がするのか
- オオスズメバチ前蛹は、フグの白子の味がする
- サクラケムシの糞茶は、上品な桜の香り
- オオゴキブリは美味しい
- なぜヘビトンボの幼虫が「孫太郎虫」になったのか
- タイワンタガメの雄は、ラフランスの香りで雌を呼ぶ
- マダガスカルゴキブリの雄は、「シューッ」と鳴いて雌を口説く
- クリムシは本当に栗の味がするか
- アメンボはやっぱり甘かった
- イナゴで稼ぐ
- イナゴンピックで田んぼを守る
- セミを食用に採ることを禁ず
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第2部 古今東西、そして未来の昆虫食
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1 人類発祥とともにあった昆虫食文化
昆虫は七〇〇万年前から人類の日常食/自然と文化の融合の中で/明治の西欧化と昆虫食の衰退/“食べず嫌い”は雑食動物の証/昆虫を学校給食に/欧米と日本の昆虫観と昆虫食の違いはなぜ生じるのか/和食文化と昆虫食
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2 世界では二〇〇〇種類近くの昆虫が食べられている
カゲロウ、アタマジラミ、ハエ……世界は昆虫を食べてきた
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3 今なぜ昆虫食が注目されているのか
国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨/宇宙食としての昆虫/サバイバル食としての昆虫
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4 昆虫食の明日
小学校の授業でバッタ採り/「ムシテックワールド」での昆虫食デザインの試み/自由研究のテーマに「昆虫食」/いま信州は高校生が熱い
- おわりに
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内山 昭一(うちやま しょういち)著者プロフィール
1950年長野県生まれ。昆虫料理研究家、昆虫料理研究会代表、NPO法人食用昆虫科学研究会理事。幼少より昆虫食に親しみ、1999年から本格的に研究活動に入る。どうすれば昆虫をよりおいしく食べられるか、味や食感、栄養をはじめ、あらゆる角度から食材としての可能性を追究する。
2013年5月、国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨する報告書を発表して以降、メディアから取材殺到。こうした気運を受け、代表を務める昆虫料理研究会の活動が大きく広がる。また、日本初の昆虫食を科学的に研究する食用昆虫科学研究会が14年にNPO法人の認可を受け、理事として啓蒙活動を続けている。
商品情報
- 著者
- 内山 昭一
- ジャンル
- 新書(新潮新書)
- ページ数
- 224ページ
- 定価
- 本体760円+税
- 発行日
- 2019年1月20日
- 出版社
- 新潮社
- ISBN-13
- 987-4-10-610798-6
- JANコード
- 9784106107986
1920245007604
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